空間分解能を持たない単一画素検出器を用いた複素振幅計測手法に関する論文が出版されました.日本語の abstract は以下の通りです.研究に関連するプログラム等は GitHub を通して公開しています.掲載誌は Optics and Lasers in Engineering です.
空間的に変調された参照光と単一画素検出器を用いるイメージング手法はゴーストイメージング(GI)として知られ,高感度で耐ノイズ性に優れた技術として注目されている.GIで得られる情報は一般に物体の透過率あるいは反射率の分布だが,ディジタルホログラフィ(DH)の手法を応用して複素振幅を計測する方法が提案されている.これらの手法では,位相変調された参照光と物体光の干渉光の強度を計測し,GIの手法により物体光の複素振幅を再構成する.DHを応用したGIでは位相シフト法により干渉光に含まれる不要成分を除去する必要があるが,そのため通常のGIと比較して測定回数が数倍になるといった問題がある.本研究ではDHを応用したGIにおいて,並列位相シフト光学系を用いることにより,測定回数を増やさずに複素振幅を再構成可能な手法を提案し,その有効性を実験により示す.
GitHub - syoshida1983/Parallel-phase-shifting-digital-ghost-holography
2025 Sep. 21
計算機合成ホログラムのフルカラー再生に関する論文が出版されました.日本語の abstract は以下の通りです.研究に関連するプログラム等は GitHub を通して公開しています.掲載誌は Applied Optics です.
立体像表示技術としての計算機合成ホログラム (CGH) は,任意の物体光波面を再生できるという他の手法にはない優れた特性を有している.本研究では,CGH による立体像再生において,さらなる臨場感向上のためにハイスピードでのフルカラー再生の手法を検討した.提案手法では,高速スイッチングが可能なデジタルマイクロミラーデバイス (DMD) をホログラムの表示デバイスとして使用し,赤,緑,青の3色のファイバー結合レーザーダイオード (LD) を利用した光学系により時分割方式で立体動画を再生する.DMD の波長分散はホログラムへの平面波の重畳により補正するとともに,フーリエ変換光学系により物体光,共役光,0次光を分離するため,大掛かりな 4f 光学系が不要である.評価実験では,3000 fps を超える高いフレームレートで立体動画を再生できることを示した.提案手法は,CGH の臨場感の向上に有用となることが期待される.
2024 Mar. 21
Holographic Data Storage Disk が ECMA-423 として国際標準化されました.球面波シフト多重方式により,直系 120 mm のディスクで 1 TB の容量を実現しています.
2023 Sep. 26